DTFプリントはシャツでどれくらい長持ちするのか?
DTFプリントは非常に汎用性が高く、ほとんどすべての生地に使えて、しかもカラーがとても鮮やかでシャープだという話を聞いたことがあるかもしれません。でも、耐久性はどうでしょう?DTFプリントはシャツで実際にどのくらい長持ちするのでしょうか?洗濯10回?20回?それ以上?
このブログでは、その答えを詳しく解説します。DTFプリントの耐久年数に影響する要因と、できるだけ長く美しく保つためのベストな方法をご紹介します。
本記事の内容
- DTFプリントの耐久性に影響する要因
- DTFプリントの想定寿命
- DTFプリントを長持ちさせるためのベストプラクティス
DTFプリントの耐久性に影響する要因
詳細に入る前に、DTFプリントの工程で重要な要素を見てみましょう。使用する材料、生地の種類、そしてプリント後の取り扱い方法です。これらすべてが、DTFデザインの寿命に大きく関わります。
資材の品質
熱転写には、インク、転写フィルム、プリンターといった複数の資材が関わっています。たとえばインク。転写フィルムと生地にしっかり接着する、高品質なDTF専用インクが必要です。昇華インクや通常のインクを流用してコストを抑える方法もありますが、安定性も耐久性も劣ります。
次に、転写フィルム自体の品質。良質なDTFフィルムは、インクを均一に受け止める滑らかなコーティングが施されています。
そしてプリンター。DTFインクに対応した専用機(例:xToolアパレルプリンター)を使用することが大切です。改造機ではなく、専用機が推奨されます。

熱転写のやり方
多くの人が失敗しがちなのがヒートプレス工程です。たとえ高品質なプリントでも、この工程が正しく行われないと早期に剥がれたりヒビ割れたりします。
よくある失敗例は、適切な温度や圧力をかけていないことです。プレスが弱すぎたり、温度が低すぎたりすると、接着剤が生地と完全に結合しません。DTF転写を正しくプレスする方法については、当社の詳しい解説記事をご覧ください。

洗濯と乾燥の方法
DTFプリントが完了したら、すぐに洗濯機に入れたくなるかもしれません。でも、それは大きな間違いです!プレス直後のデザインは、少なくとも24時間の定着時間が必要です。早すぎる洗濯は接着力を弱め、プリントに気泡ができたり、剥がれの原因になります。
洗濯するときはシャツを裏返し、冷水で優しいコースを選びましょう。強力な洗剤は、時間とともにインクや接着剤を劣化させてしまいます。
次に乾燥について。直射日光で干すのが一番早い方法に思えますが、紫外線に長時間さらされるとプリントが劣化し、色褪せの原因になります。最適なのは、日陰で自然乾燥させるか、乾燥機の低温設定を使用することです。
生地の特性
生地はDTFプリントの耐久性において最も影響が小さい要素ですが、ほとんどの場合で優れた性能を発揮します。ではなぜ取り上げるのか?それは、生地の種類によってプレスの設定を調整する必要があり、それを怠ると、どんなに良いデザインでもすぐに剥がれてしまう可能性があるからです。
例えば、綿素材はDTFプリントとの相性が良いですが、熱を吸収しやすいため、温度と圧力の設定を正確にする必要があります。一方で、ポリエステルや合成繊維は熱に弱く、温度が高すぎると焦げや変形の原因になります。
デザイン構造
デザインの構造も耐久性に影響を与える要因であり、特に接続性や細部の構成が重要です。例えば、細い線が多かったり、要素がバラバラで接続が弱いデザインは、剥がれやすくなります。
DTFプリントは接着剤によって生地に密着させる方式のため、要素が分離していると接着ポイントが少なくなり、耐久性が低下します。少しの擦れでも剥がれてしまうリスクが高くなります。
DTFプリントの想定寿命
DTFプリントがどれくらい持つかについて、正確な数値は存在しません。実際、どのDTF業者も明確な耐久年数を保証していません。とはいえ、正しく取り扱い、洗濯すれば、DTFプリントは色褪せや剥がれをほとんど感じさせずに数年間持続することもあります。
洗濯回数で言えば、多くのサービス提供者の共通認識として、DTFプリントは約50〜100回の洗濯に耐えられるとされています。これはDTG(ダイレクト・トゥ・ガーメント)やインクジェットプリントなど、他のデジタル印刷方式より優れています。
もちろん、洗濯や乾燥、保管の仕方によって、長持ちするか早く劣化するかは大きく左右されます。
DTFプリントを長持ちさせるためのベストプラクティス
DTFプリントの耐久性は、作成方法とその後の取り扱いによって大きく左右されます。
プリントをできるだけ長く美しく保つための主なポイントをご紹介します。
- DTFプリントされたシャツは、裏返して冷水でやさしい洗濯モードを使用して洗ってください。接着剤を劣化させる強力な洗剤や柔軟剤の使用は避けましょう。
- DTFプリントは日陰で自然乾燥させ、直射日光を避けて色褪せや熱による劣化を防ぎましょう。乾燥機を使用する場合は低温モードを選んでください。
- アイロンをかける際は、プリント部分に直接アイロンを当てないようにしてください。保護布をかけるか、シャツを裏返してアイロンをかけましょう。
- 専用のDTFプリンター(例:xTool DTFプリンター)を使用し、自動パウダー装置を導入することで、接着剤の分布が均一になり、定着力が向上します。
- 剥離タイミングの指示を守り、焦って剥がさないようにしましょう。早すぎる剥離は転写を弱め、早期の剥がれやヒビ割れの原因になります。
- 特に伸縮性のある生地では、プリント部分を過度に引っ張ると、時間の経過とともに亀裂が入る可能性があります。
- 複雑なデザインの場合は、仕上げにもう一度プレスするのがおすすめです。