xToolレーザー加工機の選び方|X1・P3・P2S・Fシリーズを比較

ビジネスに最適なxToolレーザーは、何を制作するか、プロジェクトの規模、そして今後の成長計画によって異なります。大型のアクリル看板をカットするショップと、金属製のギフトやクリスタルの記念品に彫刻を施すクリエイターとでは、必要とされる機能が異なります。
xTool X1がラインナップにモジュール式の選択肢を加えたことで、拡張可能なプラットフォームと、特定のワークフローに特化したマシンを比較できるようになりました。P3は、80WのCO₂レーザーと最大1,200mm/sの加工速度を組み合わせ、大判のカット作業に対応します。X1は、55WのCO₂レーザーによるカットに加え、オプションのガルバノモジュールで最大6,000mm/sの彫刻に対応し、さらに複数のレーザー光源へ拡張できます。P2Sは、日常的な卓上プロジェクト向けに、55W CO₂レーザーで最大600mm/sの加工に対応します。小さなアイテムへの高速かつ精細な加工には、F2 Ultraが60W MOPAレーザーと40Wダイオードレーザーを組み合わせ、F2 Ultra UVはガラス、クリスタル、微細なマーキングに5W UVレーザーを使用します。どちらのFシリーズ製品も、最大15,000mm/sの加工に対応します。
このxToolレーザー比較ガイドを活用して、お使いの素材、注文規模、生産スケジュール、予算に合った機材を見つけてください。
xToolレーザー選びのクイックガイド
| 主な目的 | おすすめの機種 |
|---|---|
| 厚みのある木材やアクリル、大判カット、大量生産 | P3 |
| 大判のCO₂カット・彫刻に加え、金属やガラスなどに対応するレーザー光源の段階的な追加 | X1 |
| 予算を抑えながら、日常的なCO₂加工に取り組みたい場合 | P2S |
| 金属マーキング、小さなアイテムへの精細な彫刻、狭い加工範囲での高速な名入れ | Fシリーズ |
大判のCO₂加工や量産にはP3
注文の多くが木材、アクリル、レザー、看板などである場合、xTool P3は生産性を重視した選択肢です。80WのCO₂レーザーと915mm × 458mmの作業エリアにより、大型デザインの加工や、小さなパーツの一括配置に対応します。
P3の最大加工速度は1,200mm/sです。また、木材は最大20 mm、透明アクリルは最大25 mmの切断に対応しています。これらの数値は参考値であり、実際の切断結果は素材、加工設定、求める仕上がりによって異なります。
P3が適している用途
- 大型の木製看板、アクリルディスプレイ、商業用サイン
- 厚みのあるシート材や、繰り返しのカット作業
- ウェディング装飾、展示会用ディスプレイ、イベント装飾
- レザー、布、紙製品の一括制作
- 1回のセットアップで多くのパーツを配置し、材料を扱う回数を減らしたい注文
P3の特長は、レーザー出力、作業エリア、オートメーション機能の組み合わせにあります。広い作業エリアにより、デザインの分割や素材の置き直しを減らし、同じ注文のパーツをまとめて配置しやすくなります。
P3のAutomated Creation System™(ACS™)は、カメラによる位置合わせ、LiDAR測距、オートフォーカス、AutoLift Baseを統合し、加工前の計測、位置合わせ、高さ調整の手間を軽減します。
CO₂加工が主な生産ラインで、大判加工や大量生産を予定している場合は、P3が選択肢になります。また、オプションの5W IRモジュールを追加すると、一部の金属やプラスチックへの彫刻にも対応できます。これは、ファイバー、MOPA、UVへ拡張できるX1とは異なる拡張方式です。
製品ラインナップを段階的に拡張するならX1
xTool X1は、現在はCO₂加工が必要で、将来的には新しい素材にも対応したいと考えているクリエイター向けに設計されています。その価値は、P3のCO₂レーザー出力や作業エリアを上回ることではなく、異なる加工機能を1つのプラットフォームに統合できる点にあります。
すべてのX1は、55W CO₂レーザーを標準搭載しています。20Wダイオードガルバノモジュールを取り付けると高速彫刻が可能になり、さらに30Wファイバー、60W MOPA、5W UVへ拡張する際にも、このモジュールが必要です。
Hybrid Motion™は、ガントリーによる機械式XYモーションと、ガルバノによる光学式XYモーションを統合し、連携して動作する4軸システムです。ガントリーが広い作業範囲を担い、ガルバノが局所的な高速スキャンを行います。ガルバノ加工速度は最大6,000mm/sで、CO₂レーザーの加工速度とは異なります。
X1が適している用途
- CO₂カットと、精細なロゴ、文字、シリアルナンバーの彫刻を組み合わせた製品
- 複数の素材を使ったパーソナライズギフトや小ロット制作
- 金属、ガラス、クリスタル、セラミック、対応するプラスチックへ段階的に用途を広げたいスタジオ
- 製品ラインナップが拡大中で、扱う素材がまだ1種類に定まっていない事業
- 設置する機械の台数を抑えながら、加工機能を追加したいワークショップ
たとえば、木製インテリアやアクリル看板の制作から始め、金属加工の注文が増えた段階でファイバーまたはMOPAを追加し、ガラスやクリスタルへの加工が必要になった段階でUVを追加できます。CO₂は主に非金属の切断、ファイバーやMOPAは金属加工、UVは対応するガラスやクリスタルへの内部彫刻を含む精細加工など、レーザー光源ごとに用途が異なります。
LaserSwap™では、30Wファイバー、60W MOPA、5W UVなどの外付けレーザー光源を、共通のガルバノ加工システムに接続できます。必要なレーザー光源を、用途や事業の成長に合わせて後から追加できます。なお、55W CO₂レーザーは独立した加工ヘッドを使用します。
予算を検討する際は、必要なモジュールも含めて計算してください。また、1つのプラットフォームを拡張しても、複数の独立したマシンと同じように並行加工できるわけではありません。1台で看板を切断しながら、別の機械で金属への彫刻を行う必要がある場合は、専用機を複数台導入する方が適していることもあります。
日常的な卓上CO₂加工にはP2S
主に木材、アクリル、レザー、紙、布を扱い、大判加工やマルチレーザーへの拡張よりも予算を優先する場合、xTool P2Sは実用的な選択肢です。
55WのCO₂レーザーと600mm × 305mmの作業エリアは、多くの卓上プロジェクト、パーソナライズギフト、スタジオの日常的な注文に対応します。P2Sには、CO₂レーザーを初めて使用する方をサポートするチュートリアルやサポート情報も用意されています。
P2Sが適している用途
- 標準の作業エリアに収まる木材やアクリルのプロジェクト
- カスタマイズギフト、ホームデコレーション、小規模スタジオの日常的な注文
- レザーアクセサリーや、対応する紙・布を使ったプロジェクト
- 現時点で金属彫刻やUV加工を必要としない事業
P2Sは、デュアルカメラ、オートフォーカス、LiDAR測距、カメラプレビューを搭載しています。一方、一部の高さ調整やアクセサリーの取り付けでは、P3の統合されたワークフローよりも手動での準備が必要です。
P3より標準作業エリアが小さく、X1のようにファイバー、MOPA、UVへ拡張できない点が主な違いです。P2Sの既存機能が予定している加工内容に合う場合は、必要な構成一式の価格も含めて比較してください。
小さなアイテムへの高速で精細な彫刻にはFシリーズ
Fシリーズは、大判のCO₂レーザーカッターとは異なる加工フローに対応します。小さな製品への精細なマーキングや、繰り返しの名入れが注文の中心である場合に適しています。
金属彫刻と繰り返しの名入れに:F2 Ultra
xTool F2 Ultraは、60W MOPAレーザーを搭載し、デュアルレーザー構成では40Wダイオードレーザーも使用できます。標準作業エリアは220mm × 220mm、最大加工速度は15,000mm/sです。
金属へのロゴ、文字、シリアルナンバー、精細な彫刻、パーソナライズギフトの一括制作に適しています。デュアルレーザー構成のダイオードレーザーにより、対応する非金属素材にも用途を広げられます。
F2 Ultraのガルバノシステムは、ガントリーに取り付けたレーザーヘッドを加工経路に沿って移動させる方式とは異なり、軽量なミラーでレーザー光を制御します。小さなロゴ、文字、シリアルナンバーなどの加工では、短いマーキングサイクルと加工範囲内での高速な精細加工をサポートします。
ガラス、クリスタル、微細な表面加工に:F2 Ultra UV
xTool F2 Ultra UVは、5W・355nmのUVレーザーを使用します。標準の表面彫刻エリアは200mm × 200mm、最大加工速度は15,000mm/sです。
対応するガラス、クリスタル、セラミック、熱に弱いプラスチックへの精細な表面彫刻や、対応するガラス・クリスタルへの3D内部彫刻に適しています。内部彫刻には固有の加工制限があり、表面彫刻エリアは3D内部彫刻の加工体積を示すものではありません。
ガラスやクリスタル製の記念品、ガラスへの名入れ、精細なマーキングがすでに主力商品である場合は、UV専用機のF2 Ultra UVが加工フローに合う可能性があります。これらが今後追加したい用途で、複数素材を扱う事業の場合は、UVモジュールを追加したX1と比較してください。
7つの重要な要素でラインナップを比較
| 要素 | P3 | X1 | P2S | Fシリーズ |
|---|---|---|---|---|
| 主な役割 | 大判CO₂加工・量産 | 拡張可能なマルチレーザープラットフォーム | 日常的な卓上CO₂加工 | 高速で精細な彫刻 |
| 基本構成 | 80W CO₂ | 55W CO₂ | 55W CO₂ | モデルに応じたダイオード、IR/ファイバー、またはUV |
| オプションモジュール | 5W IR、CMYKプリントヘッド | 20Wダイオードガルバノ、30Wファイバー、60W MOPA、5W UV、CMYKプリントヘッド | なし | なし |
| 拡張性 | CO₂加工を中心に、5W IRを追加可能 | 事業の成長に合わせて30Wファイバー、60W MOPA、5W UVを追加可能 | CO₂加工を中心とした構成 | レーザー光源別の専用モデル |
| 最大レーザーカット能力(バスウッド) | 1パスで20mm | 1パスで18mm | 1パスで18mm | — |
| 最大レーザーカット能力(アクリル) | 1パスで25mm | 1パスで20mm | 1パスで20mm | — |
| 代表的な加工内容 | 木材、アクリル、レザー、看板 | 木材、アクリル、レザー、紙 | 木材、アクリル、レザー、紙 | 金属への名入れ、ガラス・クリスタル加工 |
| 標準エリア | 915mm × 458mm | 600mm × 305mm | 600mm × 305mm | F2 Ultra:220mm × 220mm
F2 Ultra UV:200mm × 200mm |
| 最大加工速度 | 1,200mm/s | 600mm/s | 600mm/s | 15,000mm/s |
| おすすめの用途 | 大型看板、大量の木材・アクリルカット | 予算重視の小規模スタジオ、ギフト制作 | 予算重視の小規模スタジオ、ギフト制作 | 金属マーキング、ジュエリー、ガラス内部彫刻 |
安全性と設置条件も確認する
X1とP3は密閉型のクラス1設計として紹介されていますが、実際の安全クラスは機械の構成や使用条件によって異なる場合があります。学校、共有ワークショップ、ホームスタジオなどで使用する場合は、購入予定のモデルと構成に適用される認証や設置要件を確認してください。
P3はセンサー監視機能とCO₂レーザー用の消火システムを内蔵しています。P2Sは密閉型の本体と安全機能を備えていますが、安全クラスはバージョンによって異なる場合があり、Fire Safety Setはオプションです。
購入前に、レーザー安全クラス、標準搭載される防火機能、排煙・集じん環境を確認してください。また、コンベアーや開放型アクセサリーの使用によって、動作時の安全クラスが変わる場合があります。取扱説明書と、設置場所に適用される電気・防火要件に従って使用してください。
受注内容に合った1台を選ぶ
大判素材や厚みのある素材のCO₂カットが主な生産ラインである場合はP3、現在はCO₂加工が必要で、段階的に対応素材を広げたい場合はX1が選択肢になります。日常的なCO₂加工が中心で、必要な構成一式が予算に合う場合はP2Sを検討してください。
金属マーキングや小さなアイテムへの精細な彫刻が注文の中心である場合はF2 Ultra、ガラス、クリスタル、内部彫刻、微細なUV加工が現在の主な用途である場合はF2 Ultra UVが選択肢になります。
必要なモジュール、ロータリーやコンベアーなどのアクセサリー、換気設備、作業スペースを含め、構成全体の導入費用を比較してください。初期価格が低くても、構成全体の導入費用が低いとは限りません。現在の受注内容に対応でき、次の事業段階にもつながる構成かどうかを確認することが大切です。